熾烈な戦い

あらゆる物が散乱し破壊され時には血が流れ刺激臭がたちこめ絶叫がこだまし狂ったような笑い声がそこかしこから上がっているような状況があったとして、
状況に含まれる者の耳に聞こえないはずの音声、別次元から漏れてくるがごときノイズ・雑音の類が聞こえ始める。
徐々に大きくなってついには耐え難いほどの音量となったノイズが突然途切れて何だろうと思ったら自分の頭が撃ち抜かれていた。


状況がどんどん酷い方酷い方へ流れてゆき悪いことのカーニバル的な様相を呈し始め、絶頂に至ろうとする時、小説はげじゃげじゃな音を奏でる。
町田康阿部和重はそういう風な感じ。