乱文

俺が今ここでキーボードを叩いている間にもどこかで精液は放たれているしニュースキャスターは原稿を作成している。
要介護5の祖父を抱えた家族はその死を一瞬でも望んだことがあるし童貞歴26年の男は自分の人生に価値を見出せないでいる。
江ノ島には若年ホームレスの如き小汚いギャルや類型的な日焼け男が屯しロケット花火を人に向けて撃ち出す。足元には砂まみれのコンドームとストローが落ちている。
どんなに頑張っても届かない高みというものはあるし自分の実力を冷静に見つめれば見つめるほど焦り羨み絶望する。
一度思考をゼロにして開き直ってテキトーかまして、やっぱり歯が立たない現実に苦い表情を浮かべて、立ち向かわなければいけないことを頭で思い直す。
しかし心が付いて来ず、「全力を出し切れ」と言われて、全力の出し切り方が分からない昨今。
張り切ったフォームにすると力が入りすぎて失敗するし、適度に力を抜いたフォームならいつもと変わらない結末が待っている。