「ぶるぶるとろとろ」で世界を制す

カラオケなどもちょくちょく利用しておるのですが、中でもシダックスビッグエコーによく行きます。
二つとも料金はほどほどでサービスもまぁまぁというのが売り、だと思います。そう受け止めました私は。
歌広場などの、安いけど汚かったり色々…というのとは違うタイプなわけです。

カラオケ、どの機種にも歌本というのがありますが、
それとは別にアーティストどものインタビューを掲載したりリクエストランキングを載せたりする月刊ペースの冊子が置いてあるのも多いです。
ビッグエコー第一興商というカラオケ機材屋さんがやっているので、
そこの会社の製品であるDAM=ダムという機械が全ての部屋に入っています。たぶん。

ダムの「月間冊子」、その中の「ヴォーカリスト養成講座」で発見したのが「ブルブルトロトロ」でした。
『最初は半信半疑でしたがこれをやり始めてから仕事もうまくいくし恋人も出来たし、念願だったクイズミリオネアへの出演も………』
といったような体験談・成功談はありませんが、
具体的には「ブルブルトロトロ」の「ぶるぶる」は唇を閉じた状態で空気を噴出し音を奏でる行為を指し、
「とろとろ」はいわゆる巻き舌を断続的に続けて音を奏でる行為を指します。

この二つの行為を根気良くやっていると喉が鍛えられて、今まで出なかった高音が出たりすると冊子には書いてありました。
私は半信半疑どころか全面的にバカ正直に信用して練習しました。

「まさか嘘が書いてあるってことはないよな、誰も得しないもんな」
しかしブルブルトロトロ行為は、傍から見ているととても奇妙で、
事情を知らない人が見たらもう完全に壊れていると思われても何て弁解していいやら。
想像してください。あなたの隣の大事な人が、今の今まで普通に会話してたのに次の瞬間ぶるぶるぶるぶる、とやり始めたら。
私はそういうことに対して笑ってしまう方ですが、世間は厳しいものです。
話がそれましたが、この冊子の記述が嘘だとしたら、
書いた人間の狙いは人間関係をギクシャクさせることとその画を想像して笑うことしか考えられないわけで、
相当な知能犯ということになります。でもたぶん違うと思います。


そして根気良く頑張っていた私の実力が先日発揮されました。
カラオケ屋にはフリータイムというのがあって、この時間帯なら何時間でも同じ料金でいいですよ、という制度なんですが、
それを利用して4時間程度熱唱したのです。
そうしたら高音が出ること出ること。さらに普通の音域でも前より声が出る。
これほど体感できた練習法も珍しいってくらい効きました。

声というのはよくとおって損はないものなので、私はこれからもぶるぶるしていきたいと考えています。