「面白い」作品ってなんなの?

7月18日に「シュレック2」の試写会に行ってきました。
前作にあたる「シュレック」を見てなかったのですが(借りようと思ったけど全てレンタルされてて)、非常に楽しめました。
本筋に関係ない「小ネタ」みたいなものがすごく多かった。昔からあるおとぎ話をパロったようなテイストの小ネタ。
それが結構面白くて、登場人物に対する愛着も、あのCGの割に湧きやすかったのです。
正直、見る前静止画ではかなりキッツイなー!と思っていたのが、時間が経つにつれ気にならなくなりました。
で、続編から見たのに面白く感じた自分自身を観察して、ストーリーって必要なのかな、と思ったわけです。ストーリー(大筋)は大した問題ではないのではないか。
踊る大捜査線」だって、あれを面白いという人もつまらないという人もいますが、
面白いという人で、あれのストーリーに惹かれたという人はどんくらいいるんでしょう。
もちろんストーリーも好きだけれども、それより小ネタや人物造形がタマラン、という人の方が多いのでは?これは妄想かもしれない。
同じ脚本家が書いた「ラブコンプレックス」だって、小ネタがタマラン、やったでしょう。これ俺だけか?
あるいはテレ朝の「トリック」シリーズ。しょうもないトリックが多かったわけですが、映画化までされてしまった。

元は一時間の連ドラだったことも含めて考えれば、
面白いと評価されるのに必要なものは「分かる人が分かる」ふうの小ネタ(実際はかなりの人が理解できるのに、理解した人に優越感=特別感をもたらすような)、
あとは何か知らんけどちょっとウケるキャラクターとか、その程度のもんだということになります。
これが再放送ですら高視聴率を取る「踊る」ブランドを作り上げたと言っても過言ではないと思います。いつの間にか踊るの話になってるし。
ハッキリ言って、重厚なストーリーなど何ほどのもんでもない。そんなの覚えてられないし。


ディテールを突き詰めていくことで好ましい評価を受ける作品が完成する。
そういう流れがあります。たぶんストーリーのパターンなんて出尽くしているのでしょう。お笑いと同じです。
7月22日付の読売新聞夕刊に先日直木賞を受賞した奥田英朗とかいう人が一文を寄せていますが、彼もディテール派のようです。著作を読んだ事はないですが。
私は自分で何か創作をやろうと思っては断念してきた人間ですが、
もし今後書かずにいられない、止むに止まれぬほどの衝動が襲ってきたら、おそらく筋らしい筋のない、グダグダの文章結晶を紡いで溜飲を下げるでしょう。


(画像はマツダ・アクセラスポーツ)