オリンピックよりも大きな記録

ash20042004-08-21

三泊四日と言ったのに二泊三日で帰ってきてる事に関してはノーコメントでおじゃるまる。ノートラブル。人の話はちゃんと聞こう。


マニュアル車の運転において一番気を遣う事とは何だろうか?
オートマ車との一番の違いはもちろんシフトチェンジを自力で行わないといけないことで、気を遣うべきところもその辺にある。
クラッチワークとアクセルワークを上手にしないと、シフトチェンジの際車体がガクッと揺れる。「シフトショック」という忌まわしい現象である。
マニュアル車において、車速(タイヤの転がる速度)と各ギアにおけるエンジン回転数はほぼ同調しており
(オートマではロックアップ機構があって車速と回転数が同調しているとも言い切れない、
そもそも流体クラッチによって常にクラッチが滑っている状態である、などの問題がある)、
たとえば三速2500回転なら40キロくらい、四速2500回転なら60キロくらい、というようになるのだけれど、
シフトチェンジの際、クラッチを切っている時間が長いとエンジンの回転数がアイドリング近くまで低下してしまい、
そこから何もせずに動力をつなぐとタイヤの回転とエンジンの回転のミスマッチが起こり、エンジン回転がタイヤに合わせる様にブワッと跳ね上がる。
その際に「ガクッ」とショックが発生し、回転の差が大きいほどショックも大きい。
このガクッを無くす、軽減するには、クラッチを切っている時間を短くする、
シフトダウンの場合はクラッチを切っている間にアクセルを吹かしエンジン回転を車速に合わせる努力をすることが求められる。
特に難しいのはシフトダウンの方で、アクセルを煽るったって適切な量というものがあり、量が多すぎた(回転を高めすぎた)場合は、
身体を前に持っていかれるようなショックが、少なすぎた(回転が足りない)場合はつんのめる様なショックが来る。
俺のマニュアル運転はクルマの始動直後が特にひどく、最近はエンストこそ減ったものの足の指先に込める力加減が分かっておらず、
ゼロ発進時などの不必要なブリッピング(空ぶかし)は日常茶飯の事で、そんなんだからクラッチも傷むのだし焼けて臭いのだし、憂鬱になるんだけど、
そう言いながらもこうして長野まで行って帰ってきたのだからきっと以前よりは成長しているんだろう。
実際、2500回転でシフトアップする「2500シフト」ならほとんどショックなしで巡航できるようになった。


今回高速道路を利用するにあたって俺が試してみたのはスリップストリームを利用した燃費改善法で、
要するにフロント表面積の大きいトラック・バスの後ろを、なるべくアクセル開度を変えずに走る事によって
高速道路における空気抵抗の問題をクリアーにし、かつ速度を一定に保つことで燃費を向上させよう、というものなのだが、
この改善法の難点は「前を走るトラックから積荷が落下した際、人生が終了せられる」というところにあって、
そこの所はホント、気を付けて走りました。
ただ、高速道路で例えば100キロの速度を維持して走行する場合、
エンジンパワーの大半は空気抵抗に対抗するために用いられているというのを何かで読んだ事があって、
効果に関してはかなり期待できるんじゃないかと思っていた。
トラックは80キロちょいしか出せないからその後ろを余裕を持って追走し、法定速度の遵守と省燃費、
さらにロードスターは軽い&ショートホイールベースのせいか高速道路だと空気抵抗その他でクルマが安定しない気がしていたので、
そもそもの安全性がやや向上、って、いいことばっかりじゃん、などと考え、今日、帰りに給油をした際に満タン法による燃費計算をしてみたところ、
372.6キロ走行して消費したガソリンは26.61リットル、つまりリッター14キロも走ったことが判明したのである。


これは普段、街乗りをしているだけではまず得られない貴重な数字であって、参考に街乗り燃費を載せておくと、
俺の運転ではリッター10.9が限界で、それ以上は何をやっても出なかった。
距離の半分以上クーラーを入れていても10.9だし、クーラーを付けないで汗をたらしながらスパルタンに走行した場合もやはり10.9だった。
そんな伸び悩みを見せていた我が家のマツダ・ロードスターが高速道路によってついに花開いたのである。
カタログの「10・15モード燃費」にも迫る好記録だ。
行きは終日エアコン、帰りには談合坂〜小仏トンネルで渋滞にハマッたり国道16号で酷い渋滞に巻き込まれたりしたにも関わらず。


途中で合流した仲間のワゴン車にせっつかれる、せっかちな三台目に置いていかれるなど、もちろん問題も主に80キロ定速走行という点から泉の様に湧いてきたが、
それでもこれ程燃費が良かったのは初めてで、とりあえず家に着いてからエンジンルームを開けて労ってやりました。


(画像は我が家のNB6C@他人様の別荘前)