義務と演技

ash20042004-08-30

人間誰しも魂を鼓舞し自己認識と明らかに異なったロール(役割)を演じなければならないことがある。
それはたとえば完全に金目当てのアルバイトにおいて、自意識を凍結させ注文・レジ打ち・つり銭を渡す、それら業務を淡々とこなしていくことも含む。
自意識とそこからくる自己認識を何かのために脇に置いてしまうことがポイントで、これは接客業アルバイト全般で必須の要件である。
たとえば自分が事業主で、自分の店であれば、好きでその店をやっているわけで、自意識とその店舗は繋がっている。
しかしアルバイトとして雇用される者は、もちろん数ある中から選んでその店に来たといっても、
よほど居心地のいい環境でなければ少なからず自意識の凍結をせざるをえない。
きれいな店舗で業種もオシャレだわ、と思って入っても先輩バイトないし店長が最悪であるということだって多い。


何だかアルバイトの話になっているが、これは俺が明日から働く職場というのが最強レベルの演技を要求される一種のテーマパーク様のもので、
生まれてこの方接客業に従事したこともない自分が突如そっち系に飛び込むことになって不安極まっているからであるが、
自分を面接した社員の方は「開き直れるかどうかや」と言った。
自意識を凍結させるということの意味は、ひたすらつまらなく感じる業務を淡々とこなし、賃金を得てオフの日には弾けちゃる、という生活態度である。
しかし開き直った場合、それは閉じていた自意識を投げ出してしまう、自意識など実は何ほどのものでもなく、大事に抱えているものでもないんだ、という境地を意味するのであって、
ここにきて自意識と今自分がやっていることの間に講和条約が結ばれ、OK牧場有機的に自己を整理して労働に従事出来るようになる。


自分でも何を書いているのか分からなくなってきたが不安を解消するには開き直りがまず大事であろうということ、
とりあえず出勤してみようということで、あと、自分は天才ではないが脳に障害があるわけでもないんだから人並みの事は出来るだろうと、
自分の力を適度に信じることが肝要だということを、誰に向けてか、他ならぬ自分自身に向けて書いているのである。
別の社員はこう言った。
「お客さんをどうやったら喜ばせられるか、これだけ考えてやってくれればいい」
とりあえずそれだけなら出来そうな気が。